カレー屋SAKAIのスパイス日記

カレー屋を営むSAKAIが、プロ目線でカレーを語ります。

僕がカレー屋を始めたわけ①

こんにちは、SAKAIです!


愛知県一宮市で、カレー屋「CURRY THE KITCHEN」を営んでます。

 

curry-the-kitchen.com

 

 

前回は、僕のカレー屋の紹介や、どんなマインドで仕事をしているかという話をお届けしました。

 


今回は、
そもそもなんでカレー屋をやろうと思ったの?
ってあたりをお話ししようかと思います。

 


幼少期から食いしん坊

美味しいものを食べたいという探求心

まず、元来の性格というか性分というか、僕は美味しいものが大好きです。


せっかく食事をするのなら美味しいものを食べたい。

自分にとって間違いない、慣れ親しんだ味も好きだし、未知なる味も自分の世界を広げてくれる。

 

飲食店に行って、どうやって作ってるんだ?って考えるのも楽しい。

で、どうやって作ってるんだ?って考えたのを再現するのも、また楽しいんです。

 

そういう経験の積み重ねで、自分の引き出しがどんどん広がっていったように感じています。

 

海外の料理を作るのもまた楽しいものです。

旅行はすぐに行けないけれど、食材さえあればその国の料理を作ることができる。

料理を通して世界中の国々の気配を感じられるって、すごくお得な感じがしませんか?

 

このような志向は、幼いころからあったような気がします。

誰に言われるでもなく、気が付いたら台所に立っていました。

 

好きなテレビ番組は「料理の鉄人

僕が料理に興味を持つようになったのは、10歳ごろ。

テレビの影響があったと思います。

 

むかしむかし、テレビでは「料理の鉄人」という番組が大人気でした。

 

高級店のシェフや超有名な料理人が、最高の食材を使って極上の料理を作り上げる。

一般的なグルメ番組と違い、調理にもフォーカスを当てた進行が一世を風靡しました

 

一流の料理人が、テレビ画面の向こうで軽快に調理をしていく様は、まさに圧巻の一言。

鮮やかな手つきで魚をさばき、野菜を軽快に刻み、それらが次々と美しい料理に変身していくのです。

 

中華なんて見たことないくらい大きなフライパンだし、和食の職人さんが扱う包丁は信じられないくらい細長い。

酒を入れるとオレンジ色の炎が上がったりするし、使う調味料だって聞いたことないようなものばかり。

 

そんな様子に、僕はくぎ付けになりました。

そう、料理している姿が、とてつもなくかっこよく見えたんです。

 

「こんな風に、おいしそうな料理をかっこよく作ってみたい!!」

幼い僕はそう思ったものです。

 


ほかにも、お気に入りの料理番組はいくつかありました。

 

チューボーですよ!」も好きだった。

巨匠と呼ばれる料理人の調理風景が紹介されて、スタジオでは有名芸能人が試行錯誤しながら料理を作っていく。

そのスタジオの楽しそうなことといったら!

もちろん料理上手ばかり出演するわけじゃないから、たまにはへんてこな仕上がりになったりするわけです。

 

そうなると、これもがぜん再現してみたくなっちゃう。
「これ、僕ならもうちょっとうまく作れるんじゃない?」って。

こんな気持ちが、僕を料理へとかきたてる原動力になりました。

 

自分で形にすることの面白さ


一度料理を始めると、どんどんその楽しさにのめり込んでいきました。

 

形になるっていうのがいいんですよね。

自分の行動によって、ちゃんと皿の上に「もの」が生まれるんですよ。

経験を重ねていくほど上達し、どんどん技術が身についていくのも面白かった。

 

もともとの好奇心旺盛な性格とか、はまるとどんどん追及していきたくなるところとか、そういうのがうまい方向に作用したんでしょうね。

 

その時はまだ「料理人になりたい」という思いは生まれていませんでした。

でも、料理の腕を磨きたいっていう気持ちがあったのを覚えています。

 

人生を変えたスープカレー屋さん


そんなほんのり料理好きだった僕が、料理を職業として意識したのは学生時代。

 

通っていた大学のすぐ近くに、そのカレー屋さんはありました。

国立市の「薬膳カリィ本舗 TONZI」(現在は閉店)。

ここでめちゃくちゃ美味しいスープカレーと出会っちゃったのねー。

 

とはいっても、初めて行った時のことは覚えていないんです。

衝撃的な出会い!というわけではなく、気付いたら通い詰めていたという感じ。

回数を追うごとに、沼にはまるように虜になっちゃったんですよ。

 

サラサラのスープは、複雑なスパイスがしっかり感じられました。

ほかにも、タイムだろうか、爽やかでハーバルな香りがして。

骨付きチキンから出るダシや、野菜からの旨味も出ていたように思います。

 

当時はまだ、東京にもスープカレー屋さんなんてほとんどなった。

だから、どこにもない味っていうのも相まって、気が付くと足が向いていました。

食べてから3日くらいすると、また無性に食べたくなっちゃう。

週に2回くらい通ってました。自動でラッキョウ抜きが出てくるくらいには通ってました。

 

このお店、実は。


スープカレーの元祖とも言われる札幌の名店「薬膳カリィ本舗 アジャンタ」の直系店だったんです。

アジャンタで働いていた方が、その味を東京で再現していたそうで。

 

僕は知らずに、すごい名店の味をすごい頻度で食べていたんです。

ついてる。めっちゃついてる。

 

ちなみに、このTONZIさんで修業を積んだ方のお店「スープカリィ厨房ガネー舎」というお店が新橋にあります。

東京でおいしいスープカレーを食べたい方は、ぜひ足を運んでみてください。

 


こんなついてる経験のおかげで、

僕はぼんやり「カレー屋、やりたいな…」と思うようになります。

 

といってもここからすぐカレー屋「CURRY THE KITCHEN」が始まるというわけではなくて。

またさまざまなターニングポイントがありますが、今回はここまで。

 

 

 

次回は
SAKAI、就職からのカレー屋転職
をお届けします。

 

 

お楽しみに!

 

 

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